シングルマザーの私が子供に離婚を告げた時 2013.10.08 Uさん(女性) Tweet この記事は、毎月発刊の「ヘルメス・エンゼルズ」第126号より転載し、編集を加えたものです。 離婚率が上がっている昨今。 お母さん一人で、子育てに仕事にと奮闘されている方も多いのではないでしょうか。 今回は、子供のちょっとした変化を機に自分の心の間違いを発見し、苦しみの原因を取り除いていったお母さんのお話です。 「ウチって、離婚してるの?」 「もしかして、ウチって、離婚してるの?」 長男のK(8歳)がそう聞いてきたのは、長女のN(18歳)と3人で車に乗っていた時のことです。 薄々感じていたようですが、面と向かって聞かれたのはこの時が初めてでした。 「そうよ」 私は笑って答えました。 「えー、やっぱりそうなんだ。ショックー」 Kが笑顔で言いました。 私が、こんなに自然に離婚の事実を話せたのは、ずっと持ち続けていた心の重荷を、幸福の科学の研修で、解くことができたからです。 離婚したのは、Kが1歳になる頃です。 原因は経済問題でした。 サーフショップを経営していた主人は、趣味の延長にしか見えない仕事を続け、転職をする気もありませんでした。 その結果、私のピアノ教室の収入だけに頼る苦しい生活が続いていたのです。 Kは5歳くらいになると、自分の家が、他の家庭と違うことを感じ出したようです。 「ねえ、お母さん。ぼく、お父さんとお母さんと一緒にご飯食べに行きたい」 「お母さんは、一緒に行けないのよ」 「どうして?」 「ピアノのお仕事があるから。ごめんね」 少し寂しそうに見えました。 父親のところに、時々Kだけを遊びに行かせていたので、両親が一緒でないことが不思議だったようです。 子供の問題? 私の問題? 離婚のことを聞かれる少し前、ちょっとした事件がありました。 いつも元気なKが、急に「学校に行きたくない」と言い出したのです。 このところ様子がおかしいことに気づいていたので、その日は学校を休ませることにしました。 理由を聞いてみると、クラスの子がノートを覗き込んで、「間違ってるー」と大きな声で言ってきたり、何もしていないのに蹴ってきたりするのが嫌だと言います。 翌日から学校に行き始めたものの、なんだか元気がありません。 私はKに話しかけました。 「もしかしてKは、自分のこと弱いって思ってる?」 「……だって、何にも言い返せないんだもん」 情けなさそうに答えるK。 「そうかあ。でもお母さんは、それでもがんばって学校に行ってるKは強いと思うな」 相手の子は、親子関係に問題があるようでした。 「もしかしたらその子、寂しくてKに当たっちゃうのかもしれないよ。Kがその子の気持ちをわかってあげられたら、強いと思わない?」 「……そうかな。ぼくって強いのかな」 私は幸福の科学の支部で、友達とお茶をしながらKの話をしました。 みんな、わが家が母子家庭だということもよく知っていて、何でも話し合える仲間です。 「Kが学校行きたくないって言い出したのよ」 「学年上がると、いろいろあるわよね。でも、子供の問題は親にも問題があるっていうから、気をつけなきゃね」 法友の言葉にハッとしました。 ちょうど私の中にも大きな悩みがあったからです。 もう片意地張って生きなくていい 私は自分の問題と向き合うため、幸福の科学の精舎「沖縄正心館」で、研修を受けることにしました。 研修で与えられたテーマのひとつに、「過去を振り返って、自分を害したと思う相手を許す」というものがありました。 真っ先に思い浮かんだのは、離婚した元主人のことでした。 「彼との問題に取り組みなさいってことなの?」 研修が進んでも、彼の自分勝手さを責める思いが消えません。 講師に相談に行くと、講師は私の話をじっと聞いてくれました。 「Uさん。人間は、みんな天国から生まれてきますよね。天上界にいたころの元ご主人の姿を思い浮かべてみてはどうでしょうか」 「え? 天上界にいたころの姿……?」 一人になった私は、夫婦や親子も天上界で約束して生まれてきているという「霊的人生観」をもとに、もう一度、彼のことを思い返してみました。 経済力はなかったけど、ユーモアがあり、気取りがなくて一心に夢を追い続ける純粋さを残した、万年少年のような彼――。 彼の長所を思い出していくと、その姿がピカピカと光って見えてきました。 講師の言葉が頭をよぎりました。 「今のあなたは無理をしていませんか? そのままのあなたを、仏は受け入れておられますよ」 彼へのわだかまりが薄れ、穏やかになった私の胸に、その言葉がストンと落ちてきました。 「ああ、そうか。片親だからって、片意地張る必要はないんだ」 悩みの原因が見えてきたように思いました。 離婚してからずっと、必死に生きてきた私。 父親の役割も果たし、自分の収入だけで、子どもたちが後ろ指を指されないよう立派に育てなければ――。 周りに対してもそんな意地がありました。 子供の行事や、ピアノ教室の発表会が重なって、忙しさのあまり泣きたくなる状況でも、全く手を抜くことができませんでした。 彼に対しても、許せない気持ちのまま、「私一人でも、あなたがいた時以上にしっかり生活できるのよ」と、必死で背伸びをして、どんなにお金に困っても、彼を頼ることはしませんでした。 これまでは、彼に頼りきっていた弱い自分を変えたいと、自分のおっとりした穏やかな部分までも否定して、肩に力が入りすぎていたのです。 その結果、結局は人とぶつかることも多く、苦しんできました。 でも本当は、そのままの私を、仏は受け入れてくださっていたのです。 「もう無理して自分をよく見せる必要はないんだ。今まで、必要以上にがんばりすぎて辛かった……」 これ以上、強い自分を演出することもないし、足りない部分は努力して学んでいけばいいと納得できました。 スッと目の前が晴れていくような気がしました。 自信を持って生きていこう この研修でやっと心の整理がつきました。 だからこそ、Kからの離婚の質問にもサラリと答えることができたのだと思います。 ―― あの日、私は続けてKに話しました。 「ねえ、K、お母さんとお父さんは離婚したけど、Kは、二人が望んで、生まれてきたんだよ」 「お父さんにも幸せになってほしいね」 「うん」 親子の縁、夫婦の縁について学べたこと、この世で起きることはすべて魂の修行のためであること、こうした幸福の科学の教えを知らなければ、こんな風に親子で和やかに父親のことを話せることもなかったと思います。 その後、私の悩みも解消され、Kとお友達の間でのトラブルもおさまりました。 あの時期は、Kも離婚について聞けずにいて、心が不安定だったのではないかと思います。 私は、幸福の科学の教えを多くの人に伝えたいと思っています。 この教えで私自身が救われたからです。 そして、片親であっても、親が自信を持って生きていたら、その後ろ姿を見て、子どもたちもすくすくと育ってくれると信じています。 これから先、何か問題が起きたとしても、信仰を柱に一つ一つ心の間違いを発見して、丁寧に子育てをしていきたいと思います。 ※本文中の年齢は当時のものです。 この記事は、毎月発刊の「ヘルメス・エンゼルズ」第126号より転載し、編集を加えたものです。 教育・子育て,月刊「ヘルメス・エンゼルス」,親子関係,離婚・再婚 関連リンク 幸福の科学 精舎 同じテーマの記事 中学受験を控えた娘が勉強しない! 2015.07.11 Cさん(女性) この記事は毎月発刊の機関誌「ヘルメス・エンゼルズ」第147号より転載し、編集を加えたものです。 受験生とは思えない娘の学習態度 一人娘のSは、この春から第一志望の私立中学に通っています。受験に合格後、入学までの間も、中学… 続きを読む 同じテーマの記事 百点満点のママと言われたい!――バリバリママがのんびり長男から学んだこと 2015.06.27 Mさん(女性) この記事は毎月発刊の機関誌「ヘルメス・エンゼルズ」第134号より転載し、編集を加えたものです。 ほかの子と違ってきちんとできない息子 息子のKは、いつものんびりマイペース。 家でも外でも周りは気にせず、自分なりの楽しみを… 続きを読む 同じテーマの記事 息子が「書きとり」を嫌がる――母子とも間違った完璧主義に陥っていた 2015.05.01 Kさん(女性) この記事は毎月発刊の機関誌「ヘルメス・エンゼルズ」第121号より転載し、編集を加えたものです。 ノートを投げ捨てて反抗する息子 長男のCが小学校に上がって、しばらくしたある日のことです。 「先生にケチつけられた!」と、C… 続きを読む 同じテーマの記事 「怒らない」「キツイ言葉を出さない」で、子供たちがイキイキした家庭へ 2014.11.28 Fさん(30代・女性) この記事は隔月発刊の機関誌月刊「ザ・伝道」第146号より転載し、編集を加えたものです。 子供たちのデキの悪さに爆発する日々 私は20歳で結婚、21歳で長女を出産しました。わが子を見たとたん、もうかわいくて!「立派な人間に… 続きを読む 同じテーマの記事 教師の本気は生徒に通じる! 2014.11.21 Tさん(50代・女性) この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第242号より転載し、編集を加えたものです。 学校崩壊のクラスが再生! 教員現役時代、私が勤めていたのは、地域トップの高校として知られる公立の伝統校でした。入学してくる生徒は中… 続きを読む 同じテーマの記事 息子を支えた「ネバー・マインド」(幸福の科学の不登校児支援スクール) 2014.11.07 Tさん(30代・女性) この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第255号より転載し、編集を加えたものです。 不登校児支援スクール「ネバー・マインド」 幸福の科学では、不登校の親子を支援するため、フリースクール「ネバー・マインド」を開設して… 続きを読む 同じテーマの記事 「時間厳守」の価値観を変えたら、息子に自主性が生まれた! 2014.10.03 Kさん(30代・女性) この記事は毎月発刊の機関誌月刊「ヘルメス・エンゼルズ」第151号より転載し、編集を加えたものです。 時間にルーズな息子 以前の私は、一人息子のTを、毎日のように叱っていました。 「○○君のうちに遊びに行ってくる」 「何時… 続きを読む 同じテーマの記事 幸福の科学の塾に通って息子が変わった! 2014.10.02 Mさん(40代・女性) この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第257号より転載し、編集を加えたものです。 引きこもりがちな息子 長男のHは、中学校に入って間もなく、同級生からのいじめに遭いました。それからというもの、息子は部屋に引きこも… 続きを読む 同じテーマの記事 幸福の科学に出会い、教師として大きく成長! 2014.09.13 Tさん(50代・男性) この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第221号より転載し、編集を加えたものです。 きつい性格を直したくて 以前の私は、些細なことで同僚の先生に食ってかかるようなきつい性格で、人間関係の摩擦を起こしがちでした。 「… 続きを読む 同じテーマの記事 息子のアトピーとの闘いの日々から抜け出せた! 2014.07.19 Cさん(女性) この記事は毎月発刊の機関誌月刊「ヘルメス・エンゼルズ」第135号より転載し、編集を加えたものです。 生後2カ月でアトピーに 長男のSは、生後2カ月頃から、目の回りや口もと、わきの下、ひざの裏などに赤い発疹が出はじめました… 続きを読む 同じテーマの記事 落ち着きがなく問題児と言われた息子が変わった! 2014.07.03 Cさん(40代・女性) この記事は毎月発刊の機関誌「ヘルメス・エンゼルズ」第145号より転載し、編集を加えたものです。 問題だらけのダメな子 長男のTが小学校3年生の2学期のことでした。 担任の先生から、授業中に隣の子をつついてけんかになるなど… 続きを読む 同じテーマの記事 重度障害を持つ三男は家族の宝物! 2014.04.19 Aさん(女性・岡山県) この記事は、毎月発刊の機関誌「What’s幸福の科学」第58号より転載し、編集を加えたものです。 妊娠6カ月のとき、お腹にいる三男に、重い障害があると判明しました。1カ月くらい、何も手につかないほどショックで… 続きを読む 同じテーマの記事 ADHDもユニークな個性!子ども8人を育てる喜び 2014.04.13 Lさん(女性) この記事は、毎月発刊の機関誌月刊「ヘルメス・エンゼルズ」第111号より転載し、編集を加えたものです。 「賢い子に育てなきゃ」 我が家は全部で8人の子だくさんです。高校1年生の長女・Hを先頭に、長男のK(中2)、次女のA(… 続きを読む 同じテーマの記事 ダウン症の次男の子育てで気づいた、小さな成長を喜ぶ心 2014.03.11 Sさん(女性) この記事は、毎月発刊の機関誌月刊「ヘルメス・エンゼルズ」第119号より転載し、編集を加えたものです。 不安性の私 私は、人から「趣味は何ですか?」と聞かれると、「子育てです。」と答えます。 子育ては大変なことも多いけれど… 続きを読む 同じテーマの記事 長男の生活習慣が改善された! 2013.12.22 Hママ(女性) この記事は、毎月発刊の機関誌「ヘルメス・エンゼルズ」第152号より転載し、編集を加えたものです。 どうして平気なの!? 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