高校生のいじめを親と教師で解決 2014.07.02 Sさん(40代・男性) Tweet この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第242号より転載し、編集を加えたものです。 長男の心の叫び 数年前のある日曜日。居間でくつろいでいると、「お父さん、ちょっと相談が……」と高校1年の長男が来ました。顔には精気がなく、表情をくもらせています。息子は、クラスのある男子生徒から無視されたり、バカにされたり、気分を害されるようなことを言われているというのです。 (一体どんなことを言われてるんだろう……)。うなだれた息子の様子から、その場で聞き返すのも彼のプライドを傷つけるようで、詳しいことは聞けませんでした。 しかし身長180センチ以上の大柄な身体的特徴をついた屈辱的なことを言われ、傷ついている様子がひしひしと伝わってきます。 息子はコミュニケーションが下手で不器用なところがあります。(これは息子の被害妄想なんだろうか……。子ども同士ふざけてるのか、それとも現実?)と、私は心の中で自問自答しながら、努めて冷静に息子の話を聞き続けました。 「世の中にはそういうやつもおるんよ。いちいち深刻になってたら身がもたんけんのう」 しかし、息子はうなだれたままです。 暴力を暴力で解決するな! さらに聞いていくと、暴力を受けている事実も判明しました。体育の時間にバレーボールの競技をしていると、その男子生徒が競技以外でぶつかってきたり、蹴ってきたりするといいます。見れば、体のあちこちにアザが。 うちの息子は小学校の頃から剣道をしていて、2段の腕前です。体型もがっちり型の息子に比べ、いじめる男子生徒は息子よりも小柄だといいます。 「武道をやっているお前が本気になったら、お前の方が勝つんよ。じゃけど、仕返しをすると同じレベルになってしまうんで。じゃけ耐えにゃいけん。暴力を暴力で解決してはいけん。正々堂々と違う形で解決しよう。お父さんもちゃんと考えるけん」 また、いじめる男子生徒の動きに常に注意して一定の距離を保ち、近づいてきたら離れるようにと現実的な対処法も教えました。息子も素直に聞いていましたので、しばらく様子を見ようと思ったのです。 「お前は、よう耐えた」 それから1カ月後。息子がまた思い詰めた様子でやってきました。いじめる男子生徒は、相変わらずひどい言葉を浴びせ続け、暴力をふるってくると言います。息子は、相手に手が出そうになるのを、歯を食いしばって我慢しているようでした。その上、いじめる側の人数が増えてきたというのです。 (まずい――)。私は直感しました。 (このまま放っておいたら状況は悪化するばかりだ、悪い芽は小さなうちに摘んでおかなくては) 加害者の方にも、これ以上過ちを犯させてはならない、と思いました。 「お前はよう耐えた。頑張った。これからは、お父さんも頑張ってお前を助けるけん」 私は言うべきことを整理してから、担任に電話をしました。息子の状況が事実がどうか客観的に確認したいと伝え、学校に出向いたのです。 警察の介入も辞さない覚悟で 担任と話してみると、いじめのボス格の男子生徒は、他の生徒もいじめていて、被害生徒の父兄から、すでに相談の連絡が入っているようでした。 しかし、加害生徒の親が暴力団関係者だったため、担任も腰が引け、注意できずにいるようです。だからと言って被害生徒を野放しにされては、犠牲者が増えるばかり。たまったものではありません。 「必要なら、私の方から校長にお伝えしてもいいですよ」 そう言うと、担任は言葉に詰まりながらも 「私の方で頑張らせていただきます」と言ってきました。 「分かりました。では、期限を切らせてもらいます。このような状態が1カ月も2カ月も続くのは困りますので。2週間ほどの短期間でお願いします。解決がつかないようなら、警察の介入も辞さない覚悟です」 私がきっぱり言うと、さすがに担任は顔を引きつらせて聞いていました。こちらの覚悟を伝えることで、担任が崖っぷちに立つことになり、解決に向けて尽力していただけるのではないかと期待したのです。 というのも、くさいものにフタをする公務員の隠蔽体質についてよく聞いていたので、強く言っておかなければ、という気持ちが自分でも働いたからです。 いじめグループの解体 その後、担任は約束通り、頑張ってくれました。いじめグループの一人ひとりに注意し、ほどなくして彼らは片っ端から停学処分となりました。ボス格の生徒はその後、他の問題も起こし、最終的には退学になりました。 そして学校に平和が戻ってきました。息子もその後、部活に、学業に、のびのびと高校生活を送り、やがて無事に卒業。大学にも進学することができました。 いじめを振り返って 私の息子の場合は、担任が誠実な方だったので、たまたま運よく解決に導かれたのだと思います。 今でも時折思い出すのは、ボス格の加害生徒のことです。彼自身、今どうしているのか……。町でもあまりいい噂を聞きません。いつか時がきたら、彼が自らの間違いに気づく機会を得られますように、そして真っ当な道に入ることができますようにと祈っています。 この記事は、毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第242号より転載し、編集を加えたものです。 いじめ・不登校,月刊「幸福の科学」 関連リンク 月刊「幸福の科学」 同じテーマの記事 ご近所づきあいに負けず、娘のいじめを円満解決 2016.03.22 この記事は毎月発刊の機関誌「ヘルメス・エンゼルズ」第144号より転載し、編集を加えたものです。 娘(F)からの告白 長女のFが小学校2年生になってしばらく経った頃、毎日一緒に学校に通っているお隣のA子ちゃんとの関係がうま… 続きを読む 同じテーマの記事 いじめを完全解決に導いた「悪霊撃退祈願」 2015.07.17 Hさん(20代・女性) この記事は毎月発刊の機関誌「ヤング・ブッダ」第40号より転載し、編集を加えたものです。 いじめグループのいる重苦しい教室 私が中学2年の時のことでした。女子生徒の間で、ターゲットが次々と変わっていく陰湿ないじめが始まり、… 続きを読む 同じテーマの記事 息子を支えた「ネバー・マインド」(幸福の科学の不登校児支援スクール) 2014.11.07 Tさん(30代・女性) この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第255号より転載し、編集を加えたものです。 不登校児支援スクール「ネバー・マインド」 幸福の科学では、不登校の親子を支援するため、フリースクール「ネバー・マインド」を開設して… 続きを読む 同じテーマの記事 いじめを乗り越えて 2014.05.16 Iさん(10代・女性) 中学・高校時代にいじめを経験しました。 私の通う学校は荒れていて、強い女の子から目をつけられた私はいじめられるようになり、知らない子からも「死ね」と言われていました。 そのころの私はネガティブで人としゃべられなくなってい… 続きを読む 同じテーマの記事 不登校だった僕がクラスのリーダーに! 2014.04.30 (幸福の科学学園・関西校 中学2年生男子) この記事は、毎月発刊の機関誌「ヘルメス・エンゼルズ」第218号より転載し、編集を加えたものです。 以前通っていた中学校の雰囲気が合わず、中1の時、学校に行けなくなってしまいました。 でも、「幸福の科学学園でなら変われるか… 続きを読む 同じテーマの記事 NEVER GIVE UPの精神が私を成長させた! 2013.12.20 Kanaさん(20代・女性) この記事は、毎月発刊の機関誌「ヤング・ブッダ」第121号より転載し、編集を加えたものです。 最初のアメリカ留学でまさかの事態に 私が初めて留学をしたのは、高校2年生の8月のことです。約1年間、アメリカ・ウィスコンシン州… 続きを読む 同じテーマの記事 いじめに負けない! 幸福の科学の教えを信じて耐え抜いた娘 2013.11.30 Tママ(女性) この記事は、月刊「ヘルメス・エンゼルズ」第133号より転載し、編集を加えたものです。 駅の駐輪場での出来事 娘のTがいじめに遭っていると私が知ったのは、最初のいじめがあってから半年も経った頃でした。その間、娘は一人でい… 続きを読む 同じテーマの記事 いじめ、不登校、非行……私が立ち直るまで 2013.11.30 Mさん(20代・女性) この記事は、隔月発刊の「ザ・伝道」第120号より転載し、編集を加えたものです。 私はいま一児の母です。10代のとき、私は不登校や非行など荒れた生活をしていました。そんな私が、立ち直ることができたのは、仏法真理と家族の励… 続きを読む 同じテーマの記事 不登校の経験は、かけがえのない宝物。 2013.10.08 Yさん(10代・女性) この記事は、毎月発刊の「ヤング・ブッダ」第19号より転載し、編集を加えたものです。 みんなの前で叱られたショック 「何で宿題をやってこなかったの」 小学5年の2学期の初めごろ、私は夏休みの宿題を出せず、クラスのみんなの前… 続きを読む 同じテーマの記事 娘の不登校の危機を乗り越えた体験談 2013.10.03 Sunさん(女性) この記事は、毎月発刊の「ヘルメス・エンゼルズ」第117号より転載し、編集を加えたものです。 「学校に行きたくない」「行きたくても行けない」――。 もしも、わが子がある日突然、不登校になってしまったら……。 今回は、子ども… 続きを読む 同じテーマの記事 「いじめ」をなくすキーワード 2013.05.24 Mさん(50代・女性・東京都) 『太陽の法』に出会って 幸福の科学の教えに出会ったのは、結婚して5年ほど経った頃でした。 独身時代は商社勤めで、朝早くから夜遅くまで働く日々でしたが、楽しい仕事に生きがいを感じていました。 ところが、結婚して専業主婦にな… 続きを読む 同じテーマの記事 「何があっても大丈夫!」逆境をバネに 2013.03.28 みさきさん(10代・女性・東京都) 小学5年で自宅に引きこもり、自殺を考える日々 父と母が昔から幸福の科学の会員でした。 私も幼い頃に入会していましたが、当時は信じていませんでした。「こうあるべき」という気持ちが自分を縛っている感じがして嫌だったのです。 … 続きを読む 同じテーマの記事 不登校を乗り越えて 2012.10.04 たいしょうさん(10代・男性・東京都) 自分が不登校になった理由は、小学校~中学校のイジメが原因でした。 当時の心の状態は、不幸を愛している傾向にありました。 常に自分が悲劇の主人公の様にしており、自己イメージも相当低く、毎日が本当に辛かったです。 しかしある… 続きを読む 同じテーマの記事 私は、信仰心で変わった 2012.10.03 まゆこさん(10代・女性・東京都) 自分が不登校になった時は、自律神経の病気で、家の周りを歩くのも困難でした。 その時の心の中は、常に不安や恐怖心、自己憐憫(じこれんびん)などがいっぱいで、いつも最悪な自分をイメージしていて、何かやろうという意欲は、全く起… 続きを読む