脳溢血で寝たきりになった夫を介護――生活不安を乗り越えて 2015.03.14 Nさん(70代・女性) Tweet この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第243号より転載し、編集を加えたものです。 日系アメリカ人の夫との結婚を機にハワイへ 私は日系アメリカ人の夫と結婚し、それを機にハワイに移住。やがて2人の子宝に恵まれました。 しかし結婚生活を続けていくうち、夫に対し、次第に不満を抱えるようになっていきました。というのも、夫は私と正反対のおっとりした性格。私からすると、もっとこうすればいいのに、と気に障ってなりませんでした。 脳溢血で夫が寝たきりに そんな私は、人生最大の逆境に直面することとなりました。今から20年前のことです。当時62歳だった夫が脳溢血で倒れ、寝たきり状態になったのです。2人の息子はまだ10代。学校にも通わせなくてはならず、夫を介護しながら、働き続けなければならない日々が始まりました。 立ち仕事のレストラン勤務に加え、帰宅すれば、心に葛藤を抱えた夫の食事の世話に、下の世話、関節を動かす運動の手助け……。さらには子どもたちの世話と、やらなければならないことは山のようにあります。 次第に身も心も疲れ果てて、寝たきりの夫に、「私の気持ちも分かってよ」と、不満をぶつけたこともありました。 夜、クタクタに疲れた体を布団に横たえる時、「一体何のために生まれてきたんだろう」と何度心の中でつぶやいたことでしょう。朝がやってくるとまた現実が始まります。ただ生きるために私は必死でした。 人生再出発を誓って 幸福の科学に出会ったのは、主人が倒れてから2年目のこと。ハワイに住む、幸福の科学の書籍のファンである友人に勧められ、『孔子の霊言』という本を借りて読んだのがきっかけでした。 愛や悟り、宇宙観といった広大な世界観に驚き、夢中で本のページをめくりました。 「この教えを学べば、私の人生、変わるかもしれない」と思い、日本で出版されている書籍を次々と取り寄せ、夢中で読んでいきました。そして1988年9月、私は会員になりました。 当時、幸福の科学は発足したばかり。ハワイに支部はなく、法友もいませんでした。ただ、「この教えを学ぶ者として恥じない人間になりたい」と思い、仏法真理を指針として人生を再出発しようと心に誓いました。 寝たきりの夫への思いが変わった 人生への考え方が大きく変わったのは、「人生は一冊の問題集」であること、「どんな苦難や逆境も、すべては魂を輝かせるための砥石」であるという教えを学んでからでした。 その頃の人生の問題といえば、寝たきりの夫のことでした。夫の存在が私の魂を鍛え、成長させてくれているのかもしれないという、今まで考えたことのない視点が浮かんできました。夫の病気という現実を、肯定的に受け止めようと思ったのです。 看病する大変さは変わりませんでしたが、不思議と心が素直になっていく自分に気がつきました。少しずつ夫への不満が減り、また、夫への思いも変わっていったのです。 何年も体の自由がきかず、寝起きも食事も一人ではできない寝たきりの夫。もともとは健康な人でしたから、どんなにつらかったでしょう。体が弱っていく夫を前に、自分の不満ばかりぶつけ、夫の気持ちを思いやってあげられなかったことを申し訳なく思いました。 それからは、体のリハビリをする時も、「あなた頑張って、頑張って!」と励まし、夫を気遣う言葉が自然に出るようになりました。体を起こす訓練をしながら、気がつくと夫と一緒に汗と涙を流していたこともあります。 愛は与えた人のものになることを発見!! 夫に対して、「心から安らいでほしい」と本心から願えるようになると、私も幸福感が増し、「愛は与えた人のものになる」という愛の法則を身にしみて実感していきました。看病を通して「見返りを求めない、与えきりの愛の心」を学ばせてもらったのだと思います。 「どんなに辛く苦しいことも、人生には一切無駄なことはないんだ――」 「人生は一冊の問題集」という真理が心に深くしみ入ってきた時、人生のいたる所に仏の愛があることを実感できるようになりました。 夫への気持ちの変化に伴い、職場でも常連客から、「Nさん、なんだか明るくなったわね」「幸せそう!」と言われることが増えていきました。 「この教えは私の生きるエネルギーなんだ」という確信は日毎に深まっていきました。こうして私はどん底の人生から復活することができたのです。 その後、病床の夫を三帰誓願に導くことができ、以来、2002年に帰天するまで、感謝の思いで看病を続けることができました。 心に情熱の火が灯った 私の心に伝道の情熱が宿ったのは、1991年に日本の三重県で開催された五月研修に参加した時のことです。「大川総裁に一目お会いしたい」という一心で海を渡った私は、研修で奇跡のような体験をしました。 研修に参加した海外会員が、総裁先生のいらっしゃる壇上に上がることを許されたのです。主のお側で拝礼をさせていただいた感激は、言葉には表せません。魂全体で、主の愛を感じるばかりでした。 ハワイを幸福の島に! この時私は、ハワイで幸福の科学に出会ったことは偶然じゃないと感じ、ハワイを幸福の島にするんだと心に決めました。 帰国後は、友人や職場の仲間に信仰告白をし、人は永遠の生命を持っていること、魂修行をするために転生輪廻しているという霊的人生観を伝えていきました。三帰誓願にお導きした方の中には、ハワイで著名な女性牧師の方もおられます。幸福の科学が世界宗教であることを心底実感しました。 また、もっと多くの人に仏法真理を知ってもらいたいと思い、職場のマネージャーに交渉した結果、店に布教誌を置いてもらえるようにもなりました。布教誌を通じて誕生した仏弟子もいます。 報恩の思いを伝道の情熱にかえて 伝道した方々が、教えを学んで幸せになっていく姿を見ることは、私にとってたとえようもない喜びとなっていきました。 幸福の科学の教えがあればこそ、私は人生の復活を遂げることができました。報恩の思いを情熱にかえて、天命を全うするまでこの地で伝道し続けたいと思います。 この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第243号より転載し、編集を加えたものです。 シニア・老後,介護・福祉,月刊「幸福の科学」 関連リンク 幸福の科学機関誌 月刊「幸福の科学」 『太陽の法』 同じテーマの記事 戦後70年 亡き戦友に捧げる祈り 2015.08.13 Jさん(80代・男性) この記事は隔月発刊の機関誌「ザ・伝道」第210号より転載し、編集を加えたものです。 雲の彼方に 「先に逝った戦友たちよ。今から俺も、そこに行くぞ」 1945年7月25日。当時19歳だった私は、「隼(はやぶさ)」の愛称を持… 続きを読む 同じテーマの記事 戦後70年、ようやく届けられた亡き戦友への供養の心 2015.07.23 Yさん(90代・男性) この記事は隔月発刊の機関誌「ザ・伝道」第204号より転載し、編集を加えたものです。 先の大戦は日本の侵略戦争ではない 先の大戦で、私たちは、戦友とともに陸軍兵士として命をかけて戦いましたが、戦後、「あれは日本の侵略戦争だ… 続きを読む 同じテーマの記事 熟年離婚の危機を乗り越えて――信仰の道を歩んで夫婦円満に 2015.04.24 Cさん(60代・男性) この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第244号より転載し、編集を加えたものです。 「別れてしまえばすべて解決するのではないか」 私が教師として勤めていた職業訓練校を定年退職したころから、妻の態度がよそよそしくなっ… 続きを読む 同じテーマの記事 沖縄戦という悲しみの記憶を乗り越えて 2015.04.11 Hさん(70代・女性) 終戦を迎えても夢でうなされる母 大東亜戦争末期の日本は、本土防衛の最後の拠点を沖縄としました。そのころ、アメリカ軍が沖縄に迫っていたのです。父は、島民たちに島の北部へ逃げるよう指示。母は、当時まだ赤ちゃんだった私を背負っ… 続きを読む 同じテーマの記事 本物の真理を知って見つけた生きがい 2015.01.23 Nさん(80代・女性) この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第223号より転載し、編集を加えたものです。 求め続けていた本物の信仰との出会い いまから30年ほど前、主人が亡くなったのをきっかけに、私は法華経系の伝統宗教の信仰を持つように… 続きを読む 同じテーマの記事 齢(よわい)100歳を迎えて、仏の教えを杖となし 2014.07.20 Oさん(100歳代・女性) この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第261号より転載し、編集を加えたものです。 86歳からの再出発 明治、大正、昭和、平成。御世(みよ)を四代重ねてまいりましたが、まさか86歳になってから新たな人生を歩み始める… 続きを読む 同じテーマの記事 53歳にして人生観が転換!孤独な職人から副工場長へ 2014.07.04 Hさん(70代・男性) この記事は隔月発刊の機関誌「ザ・伝道」第149号より転載し、編集を加えたものです。 勤務先の倒産 「今月で店をたたむことになった。Hさんにも辞めてもらわないと……」 10年以上前のことです。勤めていた老舗(しにせ)和菓子… 続きを読む 同じテーマの記事 母の介護を通してつかんだもの 2013.10.19 悦子さん(70代・女性) この記事は、隔月発刊の「ザ・伝道」第165号より転載し、編集を加えたものです。 「さぁ、好きなことしよう!」 今から十数年前、私が58歳の頃のことです。 当時、外資系企業の人事担当だった私は、オーストラリア人の上司に呼ば… 続きを読む 同じテーマの記事 意志の力で現実を変えていける! 2013.01.31 かずえさん(50代・女性・群馬県) 大川隆法総裁の法話「晩年成功法」を礼拝堂で拝聴させていただき、終始、未来への希望や「まだまだこれからなんだ」というパワーを強く感じました。(※2013年1月27日(日)総本山・正心館にて開催/参考書籍:『生涯現役人生』)… 続きを読む 同じテーマの記事 総裁先生のお姿に元気をいただきました 2013.01.30 みさこさん(80代・女性・神奈川県) 大川隆法総裁先生の御法話「晩年成功法」(※2013年1月27日(日)総本山・正心館にて開催/参考書籍:『生涯現役人生』)を直接拝聴しました。 大川隆法総裁先生は、若くて素敵ですね。 もう幸福の科学の会員歴は30年近くにな… 続きを読む 同じテーマの記事 『生涯現役人生』が日本を救う! 2013.01.30 雷人悟郎さん(30代・男性・東京都) 大川隆法総裁先生の御法話「晩年成功法」(2013年1月27日(日)総本山・正心館にて開催/参考書籍:『生涯現役人生』)を本会場にて拝聴させていただきました。 御法話の内容や、会場の雰囲気が非常によく、元気とやる気と勇気を… 続きを読む 同じテーマの記事 「自家発電の力と実践力」をつける決意 2013.01.29 ひよちゃんさん(50代・女性) 今日は本会場で大川隆法総裁先生の講演「晩年成功法」と質疑応答に参加させていただきました。(2013年1月27日(日)総本山・正心館にて開催/参考書籍:『生涯現役人生』) 私は今、大川隆法総裁先生と同じ56歳です。 これか… 続きを読む