アルコール依存症からの人生再建 2014.05.31 Mさん(30代・男性) Tweet この記事は、毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第257号より転載し、編集を加えたものです。 抜け出せないアルコールの誘惑 数年前まで、私は重度のアルコール依存症に苦しんでいました。しかし、信仰による奇跡がこの身に臨み、私の心と体は文字通り救われたのです。 高校を卒業した私は、地元の国立大学に進学したものの、明確な夢が描けず、授業をサボっては、アルバイトや遊びにかまけていました。稼いだお金は、全て酒につぎ込む生活を送り、数年後には、慢性アルコール中毒に。 その後も飲酒の量は増え続け、ついには、起き上がるのにも酒の力を借りなければならないほど、ひどい状態に陥ってしまったのです。 26歳の若さで急性肝炎にかかり、入院。 「予断を許さない状態です。この数値では、助からないかもしれません」 医師の診断に、家族も言葉をなくしていました。 しかし、この時、奇跡が起きたのです。 当時、私は家族のすすめで幸福の科学の会員になっていました。そして、病状を聞きつけた支部の会員の方々が、私のために「病気平癒祈願」(びょうきへいゆきがん)をしてくださったのです。 信仰など名ばかりだったにもかかわらず、祈願が行われた時間、私の体には確かに温かな光が差し込んできました。そして数日後には、肝機能の数値も正常になっていったのです。 (こんな奇跡が、本当に起きるなんて!) 祈願の奇跡の力、そして、家族や会員の皆さんの信仰の力で、私は一命をとりとめることができました。 なんとか退院したものの、アルコールへの依存は断ち難く、私はその後も入退院をくり返すことになりました。 人の役に立ってから死にたい 断酒会に参加して努力はするのですが、あまりの辛さに禁酒は続きません。禁断症状が出ると、幻覚を見たり、激しい痙攣が全身を襲うこともありました。 さらに、アルコールの摂り過ぎで脳が萎縮し、単純作業の仕事さえ記憶できないことや、昨日の自分が何をしていたのか思い出せないという日もありました。 酒をやめられない自分に、罪悪感は募る一方。食事もろくにできず、酒ばかり飲む日々が過ぎていきます。 「アルコールに蝕まれたのは俺の人生そのものだった。俺は、こんな状態のまま、一生を終えるのか?」 そう考えたとき、心の底から強い思いが突き上げてきました。 朦朧(もうろう)とする意識の中、私はかすれる声で主に祈ったのです。 「いつまで生きられるか分からない、この人生。ほんの少しでもいいから、俺は、人の役に立ってから死にたいんです!」 人生を立て直そう それからの私は、祈りや、幸福の科学の書籍を読むことに真面目に取り組むようになり、支部の会員さんに連れられて精舎でボランティアをするようになりました。体はまだボロボロでしたが、精舎の中で過ごしていると、酒に対する渇望感が薄れてゆくような気がします。 しかし考える時間が増え、今度は将来に対する不安や過去の自分を責める思いがあふれてきたのです。一度しっかり自分の人生を見つめ直さなければと思い、私は「生涯反省」をテーマにした研修を受けることにしました。 「どうして俺は、こんなに酒におぼれてしまったんだろう……」 記憶を辿っていくと、高校時代のある出来事がよみがえってきたのです。 当時の私は、県外の外国語大学で英語を勉強することを夢見ていました。しかし、家庭の経済的状況や、お世話になった人たちの説得で、結局、地元の大学へ進学。私はこの時、周りの人に夢をつぶされたという怒りと恨みを心に刻み付けてしまったのです。 「この荒れ狂う怒りを鎮めたい。そして、主に救われたこの人生を立て直したい」 私は職員の方々の勧めもあり、半年間の雲水修行(※)に入る決意を固めました。 ※雲水修行:精舎で作務(さむ:心の修行を目的とした清掃)などの奉仕行をしながら信仰生活を送り、心の汚れを落とす修行 再起をかけた闘い 雲水修行の入山式で、私は主に人生の再起を誓いました。しかし、いざ自分の心と向き合おうとすると逃げ腰になってしまいます。夜、礼拝堂で静かに心を見つめようとしても、その日の小さな心の揺れや言動については、素直に反省できるのですが、過去の罪深い自分を見つめる勇気はなかなか持てません。心の奥底にしまい込んだ思いの蓋(ふた)を開けると激しい負の感情に押し流されそうで怖かったのです。 私は動揺を押さえるため、作務でひたすら体を動かしました。しかし、こんな気持ちで作務をしても修行が進むはずもなく、雲水仲間やボランティアの方に「なんで、こんなことができないんだ!」と怒鳴り声をあげる始末。 折り返し地点の3カ月を過ぎても、一向に先が見えない私は焦り始めました。 石段を積み重ねるように こんな毎日に終止符を打とうと、私は総本山・日光精舎で「八正道・初級」研修と「『大死一番経』講義」研修に参加しました。反省によって、新生したいと思ったのです。 「今、生まれ変わらないでどうする!」と、決死の覚悟で臨みました。 雲水修行の日々が心によみがえり、私は一つのことに気づいたのです。 (精舎という嘘偽りのない世界での3カ月間。自分では、何も変わっていないと思ったけれど、毎日毎日ただひたすら作務行に汗を流したのは、まぎれもない事実なんだ) それはまるで、石段を積み重ねるような地道な日々――。 「心に受けた傷と向き合うのも確かに大切だ。でも過去にとらわれすぎず、今と未来を変えるために努力することも大切ではないか。一発逆転のような気持ちを捨てて、少しずつ前に進んでいこう」 私はまた新たな気持ちで修行に打ち込むようになりました。 苛立つことがあっても、まず相手を理解しようと歩み寄る。心の波立ちは、人にぶつけるのではなく、一呼吸おいて、嵐が過ぎ去るのを待つ。 こうした日々の積み重ねによって私は自分の心が磨かれていくことをひしひしと感じるようになりました。 そして迎えた、雲水修行の下山の日。私の心には、「この時期に、この場所で修行できて本当によかった」という思いが去来していました。 苦しみから逃れようと必死にもがいていた私。それが今、静かな自信を胸に、無事、雲水修行を終えることができたのです。 心が変われば、体も変わる! ボロボロだった私の心身は、信仰を深めるために教学や作務修行を続けたことで、まるで別人のような健康を取り戻すことができたのです。 病院で肝機能の検診をしても、今ではいたって正常です。 自分の人生を通して、心と体の健康の大切さを痛感した私は、先般、ケアストレスカウンセラーという資格を取得しました。ストレスから体調を崩していた同僚のカウンセリングを通して、心の大切さを伝えています。 主に救われ、そして再生されたこの生命を、多くの人のために役立てることができたなら――。 新しい人生への希望を胸に、主と私を支えてくれたすべての方に感謝を捧げながら、これからも、力強く歩んでいきたいと思います。 この記事は、毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第257号より転載し、編集を加えたものです。 奇跡体験,月刊「幸福の科学」,病気・事故,研修・行事,祈願,雲水 関連リンク 幸福の科学機関誌 月刊「幸福の科学」 同じテーマの記事 戦後70年 亡き戦友に捧げる祈り 2015.08.13 Jさん(80代・男性) この記事は隔月発刊の機関誌「ザ・伝道」第210号より転載し、編集を加えたものです。 雲の彼方に 「先に逝った戦友たちよ。今から俺も、そこに行くぞ」 1945年7月25日。当時19歳だった私は、「隼(はやぶさ)」の愛称を持… 続きを読む 同じテーマの記事 末期ガンから人生の復活!マラソンで日本一周 2015.06.27 Fさん(60代・男性) この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第240号より転載し、編集を加えたものです。 気がついた時には末期ガン 私は、30年経営してきた縫製業が不振になり廃業した後、再就職とリストラを繰り返していました。 そんなスト… 続きを読む 同じテーマの記事 脳幹梗塞から奇跡の回復!病気を機につかんだ本物の信仰 2015.01.31 Hさん(50代・男性) この記事は毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第260号より転載し、編集を加えたものです。 脳幹梗塞で死の淵(ふち)に立って 出勤のため、そろそろ身支度を整えねばと、布団から出ようとした時、私は体の異変に気がつきました。右… 続きを読む 同じテーマの記事 病気が教えてくれた、人生を生きていくパワー 2014.05.31 L.T.Dさん(20代・女性・アメリカ) 耳の病気で2回の手術 私は高校生のときに耳の病気になり、2回手術をしました。原因も解明されていない、放っておくと骨をどんどん溶かし再発を繰り返すという慢性の病気でした。 私は、『心と体のほんとうの関係。』という大川総裁先… 続きを読む 同じテーマの記事 祈願「スーパー・ベガ・ヒーリング」で結石が消えた! 2014.05.20 Kさん(60代・男性・静岡県) この記事は、毎月発刊の機関誌月刊「幸福の科学」第325号より転載し、編集を加えたものです。 もともと結石が出来やすい体質だった私は、健康状態の確認のため、2010年12月に病院で検査を受けました。 すると、CTスキャンで… 続きを読む 同じテーマの記事 治るはずのない奇病・膠原病が完治!? 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